交渉において、過失割合を減じ、車両時価額を約50万円増額することに成功した事例
事故の状況
依頼者の運転する車両が青色信号に従い交差点を直進したところ、対向車線から右折を開始した加害車両と衝突した事案
【過失割合】
解 決 時 1.5割
診断名
前胸部挫傷、左肩甲部挫傷、腰椎捻挫、頚椎捻挫、顎関節症
解決額
お怪我 約120万円
物損 約135万円
弁護士からのコメント
1.ご依頼のきっかけ
本件事故の発生直後、今後の治療や相手方保険会社との交渉等にご不安を抱かれ、ご相談・ご依頼いただきました。
2..弊所の活動及びその結果
① 過失割合
本件事故は、双方・青色信号での直進車と右折車の事故であり、基本的な過失割合は、直進車2割、右折車8割とされています。そのため、相手方は、本件事故直後から一貫して、その割合に則った過失割合での解決を主張していました。
もっとも、本件事故では、右折車を運転していた加害者がご依頼者様車両との衝突直前まで、ご依頼者様車両の存在を全く認識していませんでした。そのため、当事務所では、刑事記録を取得し、裁判例等の綿密なリサーチを行った上で、相手方と粘り強く交渉を行った結果、依頼者側の過失割合を1.5割とする内容での和解をすることに成功しました。
② 物損
本件事故では、修理費用がご依頼者様車両の時価額を上回る、いわゆる経済的全損の事案でした。経済的全損の場合、車両の時価額が賠償額となりますが、相手方からは、時価額として、レッドブック(オートガイド社が発行するオートガイド自動車価格月報)記載の約90万円の提示がなされました。しかしながら、当事務所において、中古車販売情報等を調査の上、当該調査結果に基づき、相手方に対して時価額の提示を行い、交渉したところ、最終的に時価額を約140万円とする内容で和解をすることに成功しました。
3.解決のポイント
過失割合については、裁判所においても、事故態様において一定の類型化が図られているものの、各事故において、その内容は異なるものであり、個別具体的な事情により、定型的な過失割合の修正を行うことが求められます。そのためには、刑事記録等の各種記録の検討・精査に加え、事案によっては工学鑑定等が必要になることもあります。当事務所では、事案に応じて必要とされる検討等を行った上で、相手方と交渉し、適正な賠償の獲得を目指しております。
経済的全損の場合、保険会社からは、レッドブックを時価額の根拠資料として示されることがありますが、レッドブック記載の金額は、実際の中古車取引相場に比して低額である場合があります。そのため、当事務所では、実際の中古車相場等を調査の上、適正な時価額の獲得に向けて相手方と交渉を行っております。
事故の被害に遭われた方におかれては、様々なご不安を抱かれることが多いかと存じます。是非一度ご相談いただければ幸いです。
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