休業損害及び逸失利益において、申告外所得の一部が賠償として認められた事例
事故の状況
追突事故
診断名
【診断名】
頚椎捻挫、脊髄振盪、腰部挫傷
【後遺障害等級】
解 決 時 14級
解決額
【解決額】 270万円(その他自賠責保険金75万円)
弁護士からのコメント
1.ご依頼のきっかけ
ご依頼者様は、事故後2ヵ月弱の段階で、今後の治療、申告外収入及び以前に労災で後遺障害認定を受けていたことから、今回の事故における後遺障害がどうなるかをご心配されて相談にいらっしゃいました。
2.当事務所の活動及び成果
⑴ 当事務所としては、治療期間中については、主治医の先生からどのように告げられているかを丁寧に聞き取り、相手方保険会社との間で、適切な期間治療を受けることができるよう交渉を行いました。
⑵ 症状固定後、ご依頼者様には痛みやしびれが残ったことから、後遺障害に関する被害者請求を行うこととなりました。
もっとも、ご依頼者様は、同痛みから、それまで行っていた仕事に復帰できていませんでした。そこで、当事務所としては、相手方保険会社と交渉の上、後遺障害を除く傷害部分の示談のみを先行して行うこととしました。
⑶ 傷害部分の示談に当たっては、事故前にご依頼者様が行っていた自営業の休業損害が問題となりました。具体的には、同自営業による収入を申告しておらず、確定申告書上の収入と実収入が大きく異なる状況が生じていました。
そこで、当事務所としては、自営業の収入に関する資料を収集し、その事業形態の説明も踏まえ、どの程度の減収が生じていたのかを詳細に相手方保険会社に説明しました。
その後も、複数回にわたり、詳細な資料を添付し交渉した結果、原則としては認められない申告外所得の一部の賠償を受けることが出来ました。
⑷ 他方、後遺障害については、画像上の所見に関する鑑定意見を取得し、さらに日常の生活状況、業務への支障等を意見書という形で作成、提出した結果、14級の後遺障害が認められるに至りました。
また、同後遺障害に関する示談交渉においても、申告外所得の一部を逸失利益として認めてもらい、申告上の所得金額よりも高額の所得金額をベースに逸失利益を受領することが出来ました。
3.解決のポイント
上記のように、申告外所得は原則として賠償の基礎とはなりません。しかし、実際の収入状況を丁寧に説明することで、相手方から一定の賠償を受けることが出来る場合もあります。
申告外所得であるとして、諦めるのではなく、種々の資料により証明ができないかについて、是非一度ご相談ください。
その他の解決事例
- 高次脳機能障害3級3号により,総額で2億円を獲得した事案
- 裁判において高次脳機能障害が認定され,1200万円を獲得した事案
- 示談成立後、症状悪化による損害賠償 300万円→1000万円
- 高次脳機能障害が疑われる被害者の事故 200万円(一審)→1億1500万円(高裁・最高裁)
- 後遺障害等級が7級から5級に認定 4000万円→6000万円
- 併合等級10級の後遺障害が併合等級7級に認定 300万円→6000万円
- 併合1級後遺障害の事故 保険会社提示額4900万円→1億9000万円
- 示談交渉において、保険会社が交渉途中から過失を争ってきた事案 約18万円→約130万円
- 示談交渉において、休業損害の立証を行い、総額525万円を獲得した事案
- 示談交渉において、逸失利益の立証を行い、総額595万円を獲得した事案
- 示談交渉において、主婦の休業損害の立証を行い、総額430万円を獲得した事案
- 保険会社からの低額示談提示に対し、後遺障害の存在を明らかにし、総額974万円を獲得した事案