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解決事例

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むち打ち症で後遺障害等級14級9号を獲得した事例

事故の状況

【事故態様】

片側二車線の左側車線を走行していたところ、右側車線で右折待ちしていた車両の間から対向車が右折してきたため、被害車両前部と加害車両左側面が衝突した。

【過失割合】

ご依頼時  90:10

解 決 時  95:5

 

診断名

【診断名】

頸椎捻挫、腰椎捻挫、右肩関節捻挫、右手関節捻挫、右骨盤打撲傷

 

【後遺障害等級】

解 決 時  14級9号

 

解決額

265万円(うち自賠責保険金75円)

 

弁護士からのコメント

1.ご依頼のきっかけ

事故直後から過失割合について保険会社側と争いがあり、対応に不満を感じたため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
そこで、過失割合については実況見分調書等の資料を収集する必要があること、お怪我についてはまずは治療に専念し、症状が残るようであれば後遺障害等級の申請を行うべきことをご説明しました。また、弁護士費用特約の適用がない事案でしたので、弁護士費用に関するご説明をし、ご依頼をお受けすることになりました。

2.当事務所の活動及び成果

物損に関しては、修理費が車両価格を上回る、いわゆる経済的全損のケースでした。車両価格について、保険会社からは新車価格の1割の金額を提示されましたが、同種車両の市場価格を調査したところ、同金額を上回ることが判明しましたので、資料を元に交渉し、増額させることができました。
また、お怪我に関しては、いわゆるむち打ち症として頚部痛等の症状が出ていましたので、通院治療を継続していましたが、事故から6ヶ月後に保険会社から一方的に治療費の支払を打ち切られました。そこで、主治医の先生に対し、症状固定時期に関する意見を求めたところ、症状固定時期はあと1ヶ月程度先であるとのご意見をいただきましたので、健康保険での受診に切り替えました。
その後、症状固定を迎え、主治医の先生に後遺障害の診断書をご作成いただきましたが、診断書の記載のみでは後遺障害等級の認定を受けることは困難と思われました。そこで、医療記録を取り寄せて内容をチェックしましたが、画像上、明らかな異常所見はなく、また、神経学的な異常所見も窺えませんでした。そこで、ご依頼者様から症状の内容、推移を詳細に聴取し、これを文書にまとめた他、事故の衝撃が相当程度大きかったことを示す証拠として、事故直後の車両の写真を添付する等して意見書を作成し、後遺障害等級の申請を行いました。その結果、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号の認定を受けることができました。
示談交渉にあたっては、前述のとおり、症状固定時期について争いがありましたが、主治医の先生から意見書をいただいていたおかげで、当方の主張どおりの治療費が認められました。また、逸失利益についても、現実の収入額は賃金センサスを下回っていましたが、若年であり昇給の可能性があることを理由に、賃金センサスに基づいた金額を請求し、これを認めさせることができました。
過失割合については、実況見分調書の他、事故直後の写真等を元に、本件事故が加害者側の一方的な過失によるものであるとして100:0を主張しました。その結果、保険会社側も95:5まで譲歩してきたものの、100:0は認めようとしませんでした。そこで、訴訟へ移行した場合の時間的コストや、5%部分について、ご依頼者様の加入する保険会社から人身傷害保険金が支給されること等も考慮し、ご依頼者様とも相談した結果、最終的に95:5で示談することになりました。

3.解決のポイント

むち打ち症の場合、3ヶ月や6ヶ月といった決まった期間で当然に症状固定を迎えるわけではなく、医師の意見ないし判断が重要なポイントとなります。本件では、主治医の先生から症状固定時期に関する意見を事前に書面で得ていたため、自費で通院した1ヶ月間の治療費も賠償の範囲として認めさせることができました。
また、適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、主治医の先生に対して症状を正確かつ具体的にお伝えすることが重要です。画像所見や神経学的所見に乏しい場合であっても、適切な資料を補充することによって、後遺障害等級の認定が認められることがありますので、早い段階から弁護士にご相談いただくことが望ましいです。

 

 

 

 

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