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よくある交通事故Q&A

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【後遺障害慰謝料】

事故により後遺障害が残存した場合、当然、その後の生活において、後遺障害と付き合って生活せざるを得なくなります。

例えば、首の痛み等が残存した場合、その痛みに悩まされながら日常生活を送ることを余儀なくされたり、あるいは、顔に傷が残った場合には日常生活のあらゆる場面で精神的な負担を感じながら生活することを余儀なくされます。

そこで、後遺障害が残存したことで受ける精神的苦痛については、入通院慰謝料とは別に慰謝されなければならないと考えられます。

このように、後遺障害が残存した場合において、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料としてその精神的苦痛に対する損害をてん補すべく支払われる賠償金のことを一般的に後遺障害慰謝料といいます。

【後遺障害慰謝料額の基準】

後遺障害慰謝料額については、自賠責保険における後遺障害等級別の基準(いわゆる「赤本基準」)が存在し(下表参照)、同基準に基づいて支払われるべき慰謝料額が算定されることが一般的です。

もっとも、同基準はあくまで目安であって、依頼を受けた弁護士としては、当該事案の事情によって同基準を修正すべき要素があれば、当該事案に見合った慰謝料を勝ち取るべく、その修正事由(残存した後遺障害の程度や仕事への影響等)を主張立証していくことになります。

(単位:万円)

等 級 1 2 3 4 5
金 額 2800 2370 1990 1670 1400
等 級 6 7 8 9 10
金 額 1180 1000 830 690 550
等 級 11 12 13 14
金 額 420 290 180 110

【後遺障害等級が非該当とされた場合でも、後遺障害慰謝料が支払われる例】

仮に後遺障害等級の認定申請の結果、非該当と認定された場合であっても、被害者の窮状等に鑑み、以下の裁判例のように、後遺障害慰謝料が支払われることがあります。

(具体例)

・20歳女性の顔面醜状(下顎部に長さ4㎝、幅0.5㎝の瘢痕)について、12級14号の認定基準に達しないが、慰謝料200万円を認めたもの(東京地判平成7年1月27日)

・8歳男児の下肢醜状について、後遺障害等級の外貌には該当しないが、慰謝料100万円を認めたもの(京都地判平成23年12月16日)

【逸失利益の算定が困難な場合における調整金としての役割】

男性の顔面醜状や、脊柱変形等、具体的な逸失利益を算定することが困難な後遺障害の場合、裁判等においては、逸失利益を低額に認定する一方で、後遺障害慰謝料を一定の範囲で増額し、被害者救済を図る場合があります。

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